2009年08月29日

ロックな辞任劇

父親として気になるニュースがありました。

日本板硝子という会社のイギリス人社長が、「私には家族が一番」だという理由で、突然辞任したのです。

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/enterprises/jinji/20090827-OYT8T00328.htm

「無責任な社長だむかっ(怒り)」との批判もあるのでしょうが、父親支援のFJは全面的に彼を支持します。

「かっこいい!」「なんてファザーリングなパパなんだ!」と、ボクは記事を読んで素直に思いました。FJの会員メーリングリストでも、話題になってます。最年少のパパ(21歳)もブログで絶賛してます。

「帰国した際に、16歳の息子の態度がおかしかったから」

これがトリガーだったようですが、会社に隷属してる日本のサラリーマンや、「仕事中は親の死に目にも会えない」なんていう価値観を美学としている人には、およそ理解できない話でしょう。

でも、妻が育児ノイローゼ、子どもが家庭内暴力や不登校など、いま家庭が相当ヤバいことになっている父親たちには、さぞや「刺さるニュース」なのではないでしょうか?

例えば、いま単身赴任中や仕事漬けのパパの中で、週末「子どもが自分と視線を合わせない」ことに直感的な危機を感じ、働き方を見直す人がどれだけいるでしょうか?

そうした状態を放置(育児を妻に丸投げ)して仕事だけしていると、最後は「手遅れな事態」に陥り、家庭は崩壊、父親自身の人生も暗澹たるものになった人を、ボクはたくさん知っています。

子どもはサインを出してるんですよね。

で、この英国人社長はそれに気がついた。でも育児に関心のない、子どもや妻のSOSにまったく気付かない(アンテナが立ってない)日本の「圏外パパ」たちには、残念ながら届かないのです。

この差は大きい。

つまり、「何のために、誰のために働くのか、生きるのか」という、ビーイングの格差。人生の意味が違いすぎるのです。ああ、日本の父親って。。

でもFJでは諦めずに世のパパたちに、「仕事か育児か、どちらかを選ぶ」のではなくて、「仕事も育児も楽しむ生き方」を提唱している。

つまり、「ワークライフ・バランス」ではなく「ワークライフ・シナジー」なのです。

FJのあるパパは、こうも言います。

「家庭やプライベートを犠牲にしてまで仕事の成果をあげるなんてことは誰にでもできること。犠牲にしないで結果を出すのが、カッコいいパパだよね」と。

そういうことです。FJのパパ連中はみんなそう。「子育てはパパは、仕事もデキる」。「本当の意味でできるオトコは、家庭やプライベートを重視している」のです。

どちらも諦めずに(自分と闘って)本気モードでやっていれば、どちらとも道は開ける。ボクも実体験を通して、そう思えます。


さて今回のニュース。皆さんはどう受け止めましたか?

ボクはニュースを聞いた時、同じUKのロックバンド「U2」が3年前に日本公演をキャンセルしたことを思い出しました。中止の理由は「メンバーの家族の病気」だったのですが、「ボノらしい…」と、えらく納得したのを覚えています。

今回は、大企業の経営トップが「会社より家族が大事」と、要職を捨てました。

このことは、日本の、なかなか進まぬ男性のワークライフバランスや、まだ本腰ではない父親の主体的な育児参画に一石を投じてくれる、ロックなパフォーマンス(辞任劇)だった、と思います。

そのうちチェンバースさん呼んで、FJで父親支援フォーラムでもやりたいです。

「日本の古典的なサラリーマンは会社第一主義だ。それを間違いだとは言わないが、私には家族が一番だ。」

もう1回、このセリフで日本企業の管理職やパパたちを揺さぶってほしいものですパンチ

posted by イクボスブログ at 01:36| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする