9/19〜22まで、ベルリン日独センター主催の日独産官学会議
「ワークライフバランス――企業、個人、社会のイノベーションファクター」に出席のためドイツへ行って来ました。
19日午後2時過ぎ(現地時間)、ベルリン・テーゲル空港に到着。12時間の長旅
で足むくむ。
空港からタクシーで30分で少し郊外のホテルに到着
夕方からの歓迎会まで時間があったので少し眠ろうかと思ったが、ひとり近隣を散歩。日曜の午後なので、カップルや多くの家族連れ多し。
さっそく赤ちゃんを抱っこし、ベビーカーを押すパパを発見!
古本屋で絵本を物色。
これは家ではなく、なんと地下鉄の出入口なのだ。
オープンカフェでカプチーノ
。
東京とは時間の流れ方が違うなぁ。
ホテルに戻って、歓迎会(夕食会)。
盛り上がったが22時には解散→爆睡
2日目。9時半に専用バスでベルリン日独センターへ向う
いよいよ国際会議の始まりだ。
まず主催のセンター事務総長から開会宣言。続いて、筑波大法学教授の本澤巳代子先生から挨拶と本会議開催の経緯と狙いを説明。(※会議の趣旨は
こちら)
来賓の元ドイツ連邦家族・高齢者・女性・青少年大臣から祝辞。
基調報告スタート。トップバッターは成田からずっとご一緒させていただいた立教大学大学院ビジネスデザイン研究科特任教授の山極先生。
テーマは、「ワークライフバランス――近代的な日本企業の将来指向的コンセプト」。
山極さんは資生堂のご出身で、あの企業内保育所「カンガルーム」を立ち上げた方。現在は、FJ法人会員でもある株式会社wiwiwの社長も務められてます。なので資生堂のこれまでの取組み(主に女性向けだが)と
wiwiwの育休取得者職場復帰支援プログラムについて報告。
山極さんは言ってみれば、日本のキャリアウーマンの草分け的存在ですが、飛行機の中でお話をうかがうと、ご夫婦のパートナーシップがしっかりあって、子育て期もご主人の家事育児協力がかなりあったおかげで仕事を継続することができたとのことでした。
続いてドイツ企業の報告があり、その後は「ドイツが日本と出会った時――日独の企業の人事担当者に対する聞き取り調査結果報告」と称して報告がありました。
まずは筑波大学経済学教授の田中洋子さん。
昨年、広島のシンポジウムで聴いた田中先生の講演で、ボクは日本と産業や経済情況が似た中でのドイツのWLBに興味が湧いたのですが、今日も情熱的な語り口で鋭い日独比較を展開。
日独とも第2次産業を中心としたシステムが時代とともにサービス産業へ転換し、とりわけ80年代以降、日独とも企業は女性の採用と活用を余儀なくされたにも関わらず、まだ企業内では男性有利の状態が続いていることに問題があることに言及。結婚・出産を機に70%の女性がキャリアを諦めていること(M字カーヴ)は大きな社会的損出だ、と述べました。
次は今回の会議のコーディネーター、ユストゥス・リーッビッヒ大学ギーセン経済学教授ウータ・マイヤー=グレーヴェさん。
日本企業の人事担当者へのヒアリング調査から、日本では「ノー残業デー」や「22時消灯」など「ソフトな啓蒙」が進んでいるが、本格的にWLBが進まないことの原因として「中間管理職層の頭の堅さ・保守的な働き方がある」と問題を指摘。大和證券グループが取り組む「
一斉19時退社の義務付け」などラジカルな施策を各企業が打ち出すべき、と提言していました。
また続いて登壇したドイツ経済研究所のエルケ・ホルスト氏も、「ドイツにおいても2050年から労働力が減少する。それを改善するには、女性がもっと指導的立場(管理職)に立てるような方向付けが必要だが、平均して男性より3割も所得が低いことなど構造的な問題の解決もさながら、『男が重要な仕事をして、女は補佐的な仕事で十分」というステレオタイプなジェンダー意識をやめることが重要だ』、と述べていました。ちなみにドイツテレコム社は役員の30%を女性にすることを決めて取り組んでいるようです。
その後の、ドルトムント工科大学社会学教授ミヒャエル・モイザー氏の「デュアル・キャリア・カップルの理想と現実」。
東京大学歴史学教授・姫岡とし子さんの「変遷する家族関係、変遷するジェンダー関係――日独相互に学び合えること」の報告も、日独の男女・家族の状況を知る上で、たいへん参考になりました。
と、以上で一日目のプログラムは終了。
夜はFJ会員でベルリン在住の柳原パパ(写真隣)がガイドを務めてくれてベルリンの街に繰り出し、ビアホールで再会を祝し、会議の疲れを癒しました〜(Beer&ソーセージ最高!)
続きを読む
posted by イクボスブログ at 15:00| 東京 ☀|
Comment(1)
|
TrackBack(0)
|
日記
|
|