島根県雲南市に行ってきました
地方遠征でも普段は現役のパパ・ママ向けの講座が主ですが、今回は趣向・対象が違ってました。
そう、父親でなく祖父、おじいちゃんが受講者。
イクメンならぬ、
イクジイ(孫育てに積極的な男性)がたくさんやって来たのです
これまでも男性や高齢者向け講座を多数実施してきた雲南市男女共同参画センターと、(財)しまね女性センターが共催のこの講座名は、「男性のための生活自立支援セミナー」(4回シリーズ)。
今回は「料理」「掃除」「介護」に加え、「絵本読み語り
」がプロフラムに入ったので、講師としてボクを呼ばれました。
絵本の実演前に「
平成育児事情〜男の子育て・孫育てのススメ〜」なる講演をしました。参加した約20名の60〜70代の男性(おじいちゃん)が真剣に聴いてくれました。
そうハッキリ言って、この世代はFJの活動にとって「抵抗勢力」でした
もちろんこの世代の人の中にも育児をしっかりやってきた人もいますが、大方は「男は仕事、女が家庭」という役割分業意識が根強い人たち。だから男性がオムツを替えたり、絵本を読んだりするといういまの父親の姿を心よく思わなかったり、育休を取ろうとする息子や婿に対して「それでいいのか的圧力」をかけてくる、といった話をよく当事者のパパたちから聞いていたからです。
第2部はいよいよ絵本読みかたり。近隣の幼稚園からキッズたちが来てくれました。まずはボクが模範?演技(4冊)を。イクジイたちは男性が絵本を読む姿を初めて観たようで興味深々の様子でした。
そしてイクジイの皆さんにも読んでもらいました。
家から絵本を持ってきていた方に「どうぞ、読んであげてください」と言うと、「いいです、いいです
」と渋りました。
すかさずボクは子どもたちに「さあ、みんな拍手で迎えてあげて!」。
子どもたちのかわいい声援の中、照れながらもイクジイが読み始めたのは『ぐりとぐら』でした。
2番手は、お寺の住職イクジイ。「友だち、何人いますか?」と読む前に「会話」から入るところはサスガ。読まれた絵本は『にゃーご』。
子どもたちもありがたそうに聴いてました。
感心して聴き入るイクジイたち。
続いて登場の方は、自宅でほとんどの家事もこなすというスーパーイクジイでした!
絵本読みも巧く、子どもたちのハートをしっかり掴んでました!
読んだのはボクの定番でもある『パパと10にんのこども』。
そして最後はセンターの所長。まだお孫さんはいません。
つまり「プレ・イクジイ」ですね。
ご自身の育児のときに読んでいたという『ねずみくんのチョッキ』を披露。これが巧い!味がある!絵本のボロボロ具合が彼の育児体験を物語ってました。お孫さんができたらきっと笑ってるイクジイになることでしょう。
終了後、子どもたちから「アンコール」が自然と沸き上がっていました。
イクジイの皆さん、また地域の子に読んであげてくださいね
以上で、セミナーは終了しました
絵本読んだ方はいい汗をかき、子どものたちの集中した表情&笑顔に接してモチベーションが高まったのではないでしょうか?
また読まなかった方も子どもの様子や楽しそうに読む同輩を視て、「ちょっと孫にやってみようかな」という気持ちになったのでは
参加者アンケートでは…
Q)今日の講座を受講して、男性が育児にかかわること、絵本を読むことについてどのように感じましたか?・社会が変わったとは良く聞きますが、これ程とは・・・実社会の現状をきちんと押さえなければならないと痛感しました。
・「居場所」といえば子どもだけだと思っていましたが、親についても同じ。考えてみたいです。
・これからは男も進んで子育てにかかわっていくことが大切なことだと痛感しました。
・男性も育児参画は大いに賛成です。早くそういう社会になればと思います。
・肩の力を抜いてできることから、少しずつ行動していけたらと思った。
・イクジイは、今後ますます必要と思われます。
・満足した。子どもの生き生きとした表情が大変良かった。
・男性が重要な役割を果たす・・・夫の育児への必要性が家族間でも大切。
・今の時代には必要な事であり、聴けて良かったです。
・まだ孫がいなくていますが今後の参考にしたいと思います。
・絵本は声を出して読む事が大切なことと感じた。
・孫の子守は大変。でも今日の講座で学んだことを活かしたい。
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このようにポジティブな感想がほとんどでした。
人生の大先輩である皆さんに対してちょっと生意気なことも言ったかもしれませんが、きちんと冷静に受け止めてくれたところはサスガです。
そう、いまの子育て環境において、パパだけでなく、おじいちゃんの支援・参画があればどれだけ心強いか。
ある意味、優しすぎるイクメンが持ちえない力強い父性を発揮できたり、子どもにとっては「畏れる存在」になれるガンコなイクジイの存在は、現代の家庭や地域の中で必要なのかもしれません。
パパ力(ぢから)に加えて、ジジ力(ぢから)があれば、子育てはもっと楽しくなるはずです。
中高年の社会貢献は、自身のエンパワーメントにもなるでしょうしね。
というわけで、今回の島根遠征はFJにとっても大きな収穫でした。
「イクメン」はもう古い。これからは「イクジイ」が来るかも
なので今後は、
「イクジイ・プロジェクト」を立ち上げて、孫育てや子育て支援で地域貢献したい中高年男性を支援して、
「笑っているおじいちゃん」を増やしていこうと考えてます