広島でのFJCキックオフイベントを終え、今朝、伊丹→花巻で戻ってきました。
今日は支援活動の最終日。ゆいっこ花巻が、大槌町で実施する「炊き出しプロジェクト」にFJも合流するのだ。
空港でレンタカーをpick upし、急ぎ現地に向かう
道路に自衛隊や警察車両、空に軍事ヘリが飛ぶのを見て、「関西はこうじゃなかった。被災地に戻ってきたんだな」と感じた。
内陸から沿岸部に出るには山越えが必要。山頂付近はまだ残雪が。
山を下って行くと、大槌町に出る。沿岸までかなり離れた川沿いの道沿いが既にこの状態。こんなところまで津波が来たんだ。
避難所の小学校に行くには市街地を通らなければならない。建物は高いビルがぽつぽつ残ってるだけだ。
ガソリンスタンドも無残な姿に。
ガレキの向こうに海が見える。あちこちでまだ自衛隊による遺体の捜索が続いているのだ。合掌。
町のストリートを行くと、今日は日曜日で好天のためか、親戚と思われる人たちが多く来ていた。親族の安否確認や自分が生まれ育った町の変わり果てた姿に、息を飲むような表情をいくつも見た。
このビルは町立の図書館。元書店員として胸が痛む。
道路が損壊しているのでカーナビが効かなかったが、何とか避難所の町立安渡小学校に着いた。
全景。小さな小学校だ。昨年度の新入生は9人だったそう。今年は?。。。
校庭には薪にするのだろうか、木材が積まれていてそこに男性が集まって火を囲んでいた。父親たちだろうか?話しかけようと思ったがちょっと気が引けた。
校庭のテントは、支援物資置き場に。
特設公衆電話のための通信アンテナもあった。
そこで、ゆいっこ高橋さんと再会。
「戻ってきました。昼食始ったばかりですか?」
「ご苦労さまです!ええ、いま食べ始めたところです。他の避難所からも来てますよ」
ここには273名(うち子どもは80名)だが、ゆいっこは1000人分の食事を用意。災害以来1カ月になろうとしているのに被災地では避難所によって満足な食事提供ができていないという格差があるとのことです。
朝6時に花巻を出たゆいっこメンバーたち(ほとんどが20代の若者)。炊き出し前に円陣を組む。ボクは間に合わなかったが、FJの田中パパ、横井パパ、棒田ママが輪に加わった(photo提供:ゆいっこ)
出来上がった牛丼を配膳するゆいっこメンバー。彼らは将来の岩手を背負っていく世代。今回の支援活動はいい体験になるだろう。みんないい表情してました。
おいしい匂いに誘われて、すぐ家族連れがやってきた!
「大盛りでお願いします!」と小学校高学年男子たち。
牛丼の肉の購入費は、FJのパパエイド基金から寄付しました(募金いただいた皆さんに感謝!)。
子どもたち含めみんなが「美味しい!」と言ってくれてるのを見て、「よかった」と思った。夕食は、トン汁1000人分だそうです。
「田中さんたちなら、このテントにいますよ」by 高橋さん
「やあ、帰ったよ」
「お帰り、安藤さん。ここ、キッズルームだけど片づけて、ここでさっき絵本読んだよ」by田中パパ
「ボクもあとで読みたいなあ」
「オッケー。みんなで食事後にまたやろう」
棚をダンボールで作り、絵本を整理した。POPを書く横井パパ。
完成だ!これで絵本ライブの会場らしくなったな。
さっそく、呼び込みをして絵本ライブスタート!
まずは『たまごさんがね』。お客は2歳児の男の子一人。面影が息子のサトシに似てるなぁ。
2冊目は『きんぎょがにげた』。「どこだ?」「ココ!」「キンギョ!」と2人で盛り上がる。
「もっと!」と言うので横井パパにタッチ交代。
女の子も2人来てくれたので、次は『へんしーん』を読む。子どもたちの硬かった表情が緩んで行くのをみて、ボクもうれしくなってきた!
今日は時間切れで絵本はこれで終了。次回はギターも入れてもっと楽しくやれたらと思います
テントの中で棚からいろいろな本を取り出して本をひとり読む女の子。そう、こういう静かな居場所が必要なんだよね、きっと。
男の子たちはずーっと、ボードゲームに興じてた^^;
避難所の中を見せてもらことに。これは校舎入り口にある避難者数や連絡事項などの情報が書いてある黒板。
玄関を入ると下駄箱。いつもは子ども達だけの靴が並ぶが、今は中で暮らす大人たちの靴もたくさんある。
正面のボードには、行方不明者の情報が書かれた張り紙が並ぶ。思わず読んでしまい…涙
足湯サービスのボランティアですこれは温まるね。
インターネット無料コーナーでは、しきりに何か検索している人も。
2階に上がると図書室があった。廊下に支援品で送られてきた書籍類が山積みになってたので、またみんなで手分けして棚を作って整理した。
送られてきた本はどこの避難所でも同じことになってると思うので、「書棚整理ボランティア」って成立するんじゃないかな?本が分かってる書店員や図書館員が来てやればいいのに。積んであるだけじゃ、本に手が出ないよ。
コーナー完成。きっと明日から子どもたちの溜まり場になるぞ。
パソコンルームは臨時の保育所になっていた。中では数人の赤ちゃんがママとお昼寝中でした。
外に出れば、散髪サービスも。サッパリするね!
子どもたちの相手は僕らだけでなく、大阪から来た大学生も。バルーンアートだね。
こっちではサッカー
きょうは天気がいいので洗濯物もたくさん。洗濯機早く届くといいなあ。
3時になると自衛隊が生活物資を運んでやってきた。今日は缶詰類と菓子類が多かったようだ。
そして1時間が来たので学校を後に。もっと居たかったのだが花巻でまだ仕事もあるので、関係者の方に挨拶してパパ3人はクルマに乗りこむ。棒田ママは明日まで居るそうなので残ることに。
短い時間だったが避難所に入り、料理作ったり、本を片づけたり、本を読んだり、おしゃべりしたりして過ごして、いろいろ見えてくるものがあった。
昼間の子どもたちは元気そうだ。特に今日は好天で温かく、友だちやボランティアの人と外遊びもできたからストレスも溜まらないだろう。
気になったのはやはり大人たちの表情だ。短い時間なのですべての人と話したわけではないが、やはり元気がない。でも無理もないよ。津波で家族を喪ったり、家も財産もまるごと流されてしまい、この先どうしていいか見当もつかないのだろう。
昼間は避難所に多くの人が来てくれるから気が紛れるだろうけど、夜に家族だけになると深く深く考え込んでしまうのではないだろうか。特に男性、一家の大黒柱的存在だった父親たちの苦悩を思うと声もかけられない。そんな暗い表情の父親のそばにいる子どもたちが心配でならない。
「笑っている父親を増やす」ことがFJのミッションだが、今日ここに来て、いまこの場でそんなことを言える場合ではないなと痛感した。自分だって同じ境遇に陥ったら、笑ってなんかいられないはずだからだ。
でも、でもやっぱり、父親は笑っている方がいい。彼らに早く笑顔を取り戻してほしいと同じ父親として切に願う。
僕らも出来る限り協力するので、国をはじめ町や県、各団体で一日も早く彼らに元気とプライドが戻るような復興支援を進めて欲しい。
父親が笑えば、家族も笑うのだ。
正門の脇に生えている桜の樹は、まだ一部しか咲いてなかった。
満開までにはまだ時間がかかるだろう。
それは被災者の人たちのマインドと同じかもしれない。
でもきっとまた近いうちに来よう。何度も来よう。
いつの日か子どもたち、そして父親たちの満開の笑顔を見るために。
大槌町を去りボクらは、2時間かけて花巻へ戻ってきました。
ゆいっこの倉庫にもある絵本や書籍を整理して帰ろう。うわ、結構あるな。でも久々に書店員の腕が疼くぜ。
完成。昔の神田村(問屋街)みたいだな^^;
売れ筋はやっぱり『かいけつゾロり』や『ズッコケ3人組シリーズ』ダネ!
すべての仕事を終えたパパ3人組。都合4日間。総走行距離1400kmのFJ先遣隊ロックツアーでした。
さあ、盛岡まで飛ばして、深夜バスで家族の元に帰ろうぜ
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